「良い汗」ってなんだろう

健康維持

はじめに

夏の訪れとともに悩まされる「汗」

暑い日はタオルやハンカチを常に持ち歩いていないとダメというくらい、顔や身体から滴り落ちる汗に悩まされている方も多いのではないでしょうか。

最近では、エアコンの普及などで、ある程度汗をかかないでも生活ができるようになりましたが、暑い日に汗をかかない生活を続けると、汗腺の働きが鈍り、身体の体温調整がうまく出来なくなることで、免疫力の低下や冷え・だるさなど、身体にさまざまな不調を招いてしまいます。


汗は何でできているのか

汗は血液から作られています。

体温が上昇すると発汗の準備のため、血液からミネラル分と水分が汗腺に取り込まれます。 このとき、身体にとって大切なミネラル分は、ほとんどが血液の中に再吸収され、水分だけが皮膚の表面から出てきます。 これが本来の汗で「良い汗」といわれます。


なぜ人は汗をかくのか

人は日常のさまざまなシーンで水分を失っています。

スポーツのときや、お風呂に入っているときだけでなく、寝ているとき、通勤・通学のとき、そして、オフィスや学校で座っているだけでも汗をかいています。

そんな汗には「体温を一定に保つ」という大事な役割があります。

体温が上がると汗が出るのは、汗が蒸発するときに身体の表面の熱を奪って身体を冷やしてくれるからです。夏に道路に打ち水をすると涼しく感じるのと同じ原理と言えるでしょう。



良い汗をかくための生活習慣

夏は、暑さに増して疲労で身体が疲れやすくなる季節です。
良い汗をかくためには日ごろからこまめな水分補給と適度な運動をして汗腺を鍛えることが大切です。


適度な有酸素運動

汗腺を働かせるには有酸素運動が効果的です。手軽に始められるウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動を取り入れるとよいでしょう。適度な運動は生活習慣病を予防し、健康で長生きするためにも欠かせない習慣のひとつです。心身のリラックス効果も期待できます。


ストレッチ・ヨガ

ストレッチヨガでは、硬くなってしまった筋肉を深呼吸しながらゆっくりと伸ばすことで血行がよくなり、筋肉への酸素・栄養供給を促進してくれます。お風呂あがりに行えば身体の筋肉が柔らかくなりリラックス効果や疲労回復効果も期待できます。


手足の温浴

本来は、湯船に浸かることが望ましいですが、忙しいなどの理由で入浴ができなくても、手足の温浴で汗腺が活性化します。洗面器やバケツを使って、少し高めの温度(40~44℃)のお湯を入れ、手と足首を同時に浸けてゆっくりと、身体の芯まで温めましょう。


まとめ

よく「人間の身体は使わないとサビる」と言われますが発汗という生理反応でも同じことが言えます。

つまり良い汗をかくためには、まず、適度に汗を流すことを心掛けることが大切なのです。

いつもエアコンの快適さに身を委ね、運動も全くしない、という生活環境では自律神経にも狂いが生じめったに使われない汗腺も機能不全を起こしてしまいます。体温の上昇とともに自然に汗をかく生活をすることが良い汗をかく近道といえるでしょう。