捻挫は、誰でも一度は経験した事のある怪我ではないでしょうか?
スポーツで起こることが多いですが、転倒や階段の踏み外しでも起こり、突き指や交通事故のむち打ちも捻挫の一種です。捻挫はありきたりなケガだと思ってそのうち治ると簡単に考える方が多いですが、軽視していると後遺症が残ったり、クセになることもあります。
自己判断で片付けて長引かせないためにも、捻挫の症状から状態を把握することが大切です。
今回は捻挫をなぜ放置してはいけないのかの理由と共に、対処の仕方をわかりやすく解説。
今まさに捻挫の痛みや症状にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
捻挫(ねんざ)とは
捻挫は、スポーツや日常生活での転倒などによって関節の可動範囲外の方向に強い力が加わると起こります。つまり、関節を不自然な状態で捻ってしまい、関節まわりの靭帯や軟骨などが傷つく怪我のことを指します。実は球技でよくある突き指も捻挫の一種です。
捻挫の症状
捻挫の主な症状は、痛みと腫れです。
関節を不自然な方向に強くひねってしまうと、はじめに痛みが出現します。その後、数分から数時間のうちに患部が腫れてきて、内出血がひどくなると出血した痕が黄緑~紫色に見えてきます。
捻挫レベル
捻挫の症状は、靱帯の傷つき具合によって、以下のような3つのレベルに分けられます。
- 軽度:靱帯が伸びている状態
(腫れはなく軽い痛みがあるが歩くことが可能) - 中度:靱帯が部分的に切れた状態
(腫れと痛みがあり、歩くのが難しい) - 重度:靱帯が完全に切れた状態、関節がぐらつく
(強い腫れと強い痛みがあり、立つことができない)
捻挫を悪化させないために
捻挫した場合は、応急処置として患部を氷のうで冷やし炎症を抑えます。関節が動かないようしっかり固定して、むやみに動かさないようにしてください。
通常は数日から1週間ほどで治りますが、治療を怠ったり、間違った処置を行うと、治りにくくなることがあります。完治するまでは、運動やマッサージを控えて、安静に過ごしましょう。温めると逆効果になるので、受傷後2、3日は入浴を控えるのが賢明です。
捻挫をしてしまった時は飲酒と入浴は避けましょう。出血が止まらないうちに血流が良くなることをしてしまうと、患部の状態が悪化して治りが遅くなる原因になります。
また、なるべく早く専門家に診てもらうのもポイントです。
捻挫の場合は痛みが少なくても靭帯を大きく損傷していたり、骨折を併発していることもあります。
軽症だと判断して処置をせず、すぐに運動を再開してしまうと、症状が悪化したり回復が遅れてしまう可能性があるのです。
捻挫を放置した場合のリスク
「捻挫したから病院にいくなんて大げさ」
「捻挫なんて放置しておけば治る」
こう考えている方が大半だと思いますが、やはりどんな怪我にも放置することにはいくつものリスクがともないます。ここからは捻挫を放置した場合のリスクをお伝えします。
治りが遅くなる
捻挫は歩けないほどの痛みを感じることが少なく、大抵の場合は腫れや内出血も出ません。
そのため特に処置をせず普段通り生活してしまう人がほとんどなのですが、捻挫をした部位によっては痛みを感じづらいこともあるため、実は靭帯が大きく損傷していたということがありえるのです。
何度も捻挫を繰り返すようになる
適切な処置をせずに捻挫を放置すると、靭帯が引き伸ばされた状態で修復が止まってしまいます。靭帯がゆるんだ関節は安定しないため、同じ捻挫を繰り返すくせのような状態になってしまうのです。
まとめ
今回は捻挫レベルから捻挫を放置した場合のリスクについて解説してきました。
「捻挫をしたのだけれど、応急処置の仕方がわからない」
「運動中に捻挫をしてしまったけど、運動を再開するためにも早く治したい」
捻挫は放置すると治りが遅くなったり再発してしまうリスクがあるため、痛みをあまり感じなかったとしても、なるべく早い段階で適切な処置を施すことが大切です。