発酵食品のもつ力

健康維持

発酵食品とは

発酵とは、微生物の働きにより食品の中のでんぷんやタンパク質が分解されること。
発酵により、身体に良い働きのある新しい成分が作りだされます。


発酵食品のメリット

食品を発酵させた発酵食品は、特に冷蔵庫が無い時代には長期保存が可能になることが大きなメリットでしたが、そのほかにも発酵することで多くの良いことが生まれ、注目されています。


うま味・甘味が増して風味がアップ!

食品の中のでんぷんがブドウ糖に、タンパク質がアミノ酸に分解されることで、発酵食品独特のうま味や甘みが生まれ、味に深みが出ることで、おいしく食べやすくなるという特長があります。


発酵前と比べて、格段に栄養価が増す

発酵中に微生物(発酵菌)の働きが加わることで、栄養素が身体で消化・吸収しやすいかたちへと変化します。この微生物の代謝活動によりビタミンなどの有効成分が加わって、栄養価が高まります。

例えば、大豆を発酵させてつくる納豆においては、納豆に含まれるビタミンB2は煮大豆の約10倍に、葉酸は約3倍にアップ。大豆のときには殆んど含まれていないビタミンK2も、納豆には豊富に含まれているなど、新しい栄養成分も加わります。


食品の保存性が高まる

食品を長期保存するためには「乾燥させる・塩漬けにする・燻製にする」などの方法がありますが、「発酵させる」のも保存性を高めるひとつの手段です。

食べ物は、カビや雑菌が食品に付着して繁殖することで傷みますが、発酵を担う微生物(発酵菌)が、腐敗の原因物質の繁殖を抑え、食品の保存性が高まります。


発酵食品が身体にもたらすメリット

発酵によって食品に起こるメリットは上記の通りです。
次に、それを食べる私たちが受けるメリットについて、健康面からお伝えいたします。

但し、発酵食品の種類によって含まれる栄養素が異なるため、全てに共通していえるとは限りません。


体内へ吸収されやすい

発酵食品は、発酵過程で微生物が原料の栄養素であるでんぷんやたんぱく質を分解されます。
そのため、体内で分解する必要がなく、消化吸収しやすく、身体への負担が軽減されます。


腸の善玉菌のバランスを整えて、腸内環境を正常化

発酵食品に含まれる乳酸菌は、腸内の善玉菌の活動を促進させて悪玉菌の繁殖を防ぎます。
腸内のバランスが整うことで、身体の免疫機能が高まったり、便秘の改善に繋がったりします。


若々しさをサポートしてくれる

老化の原因ともいわれている体内の活性酸素。その発生を抑えるのに抗酸化物質の摂取が有効です。

味噌や赤ワイン、チョコレートなどの発酵食品には、抗酸化物質である「ポリフェノール」などが豊富に含まれているため、体内で増えすぎた活性酸素を除去し、体の酸化を防いでくれます。


代謝アップや生活習慣病の予防になる

多くの発酵食品に含まれているビタミンB群には、代謝を促進する作用があります。

また、大豆系の発酵食品に含まれる「イソフラボン」には、血液中の悪玉コレステロールを減らす働きがあり、生活習慣病予防にも寄与するといわれています。


ストレス軽減に役立つ

味噌や納豆、ぬか漬けやキムチ、ヨーグルトなどの発酵食品には、天然アミノ酸の一種であるGABA(ギャバ)という物質が含まれています。GABAは神経伝達物質として脳の興奮を鎮めて、イライラを抑えたり、リラックスさせたりする抗ストレス作用があるとされています。


発酵食品の効果を高めるために

まとめ

発酵食品は種類が豊富で、食品によってさまざまな効果があります。
手軽に摂取できる発酵食品も多いため、日々の食生活に取り入れることをおすすめします。

また、発酵食品は、1回だけの摂取や、食べてすぐに効果が得られるわけではありません。

まずは2週間ほど、意識して発酵食品を摂取しましょう。
継続して摂取することで、徐々に発酵食品の効果を実感できるようになります。