産後の骨盤のゆがみを防ぐ過ごし方
出産では赤ちゃんが骨盤の間を通れるように、骨格や筋肉を大きく広げる必要がありますが、そのあと自然回復で元の状態に戻るには家事や育児などの負担があるとなかなか難しいとされています。今回はそんな産後の骨盤をゆがみなく元に戻すための方法をお伝えします。
なるべく「骨盤を立てる」ことを意識
骨盤のゆがみを予防するには、骨盤への負荷をなるべく少なくするのが近道です。骨盤に負担をかけないためには、骨盤を立てて座ることが最も大事です。
「骨盤を立てる」とは、骨盤が前にも後ろにも倒れておらず、地面と垂直になっている状態を指します。
骨盤を立てるには、椅子の背もたれにお尻をつきあてるほど深く座り、そのまま背もたれに軽く背中を這わせるようにして背筋を伸ばします。そして前を向きます。体重が、お尻の真下にある坐骨に、左右対称に乗っていることが分かるでしょう。これが「骨盤が立った」状態です。
授乳や抱っこの際は猫背になりがちです。また、赤ちゃんごと全体重をソファなどに預けてしまうと、骨盤が後傾し歪みと痛みのもとになります。なるべく骨盤が立ち、背筋が伸びた状態を意識して座りましょう。背筋を伸ばした姿
勢をキープするのが辛い人は、背中と背もたれの間にクッションを置くなどして負担を和らげます。
横座り、足組みを避ける
授乳中や抱っこのときに、ついつい横座りを長時間してしまっていませんか?横座りは骨盤の歪みを助長させ、身体のどちらかに痛みを生じさせる原因になります。足を組んで座る姿勢も同様です。
また、床座りより椅子に座ったほうが、骨盤は立てやすくなります。ただ、布団の上で赤ちゃんを抱っこするなど、育児中はどうしても床座りの生活になりがちです。床に座るときは、厚みのあるクッションを活用すると、骨盤を立てやすくなります。
ときどき立つことも大切!
立ち姿勢よりも座り姿勢の方が腰に負担がかかることが、科学的に証明されています。
スウェーデンの整形外科医であるナッケムソンの調査によれば、椅子にまっすぐ腰かけているときの椎間板への圧力は、立っているときの1.4倍です。
座っている方が身体にとっては楽な気がしますが、腰にとっては良い姿勢といえないのです。
ときどき立ち上がり、長時間座りっぱなしにならないよう気をつけましょう。授乳が終われば必ず立ち上がる、立ったり座ったりを繰り返して赤ちゃんをあやすなど工夫します。
産後の骨盤をケアするエクササイズ
産後すぐにできる、骨盤周りのエクササイズは産後の「骨盤体操」などとも呼ばれ、産後衰えた骨盤周りの筋肉を鍛えることを目的としています。
そこで今回は、とくに一般的な骨盤体操の一部をご紹介します。いずれも産後すぐは無理することなく、専門家に相談しつつ、自分のペースで行いましょう。
仰向けで腰を上げるエクササイズ
❶ 仰向けになり、腕は手のひらを下にして、身体のすぐ脇に下ろす。
❷ 膝を立て、足は肩幅程度に開く。
❸ お腹とお尻に力を入れ、息を吐きながら腰をグッと引き上げる。
❹ ゆっくりと腰を下ろす。
一日に数回実施することで、骨盤を支えている骨盤底筋群を鍛える効果が
あります。腰は過度に反らさないよう注意!
体幹を鍛える呼吸法【ドローイン】
❶ 骨盤を立て、背筋を伸ばした状態で椅子に深く腰かける。
❷ お腹をへこませながらゆっくり息を吐き、その状態を5秒から10秒キープ!
❸ お腹を膨らませるように息を吸う。
お腹に意識を集中させ、深呼吸することで、お腹の奥にある腹横筋を鍛えることができます。
まとめ
産後、自身の体調や見た目に変化があると、なかなか気持ちが上向かないものです。
骨盤を立てた正しい座り方や自分でできるエクササイズを意識して、健康と美しい体型をキープしましょう。
そうすれば、心身ともに健やかな新生活が始まります。