パワーナップとは
パワーナップとは、社会心理学者ジェームス・マース氏が提唱した昼間の短時間仮眠のこと。
昼寝を意味するnapとパワーアップをかけた造語であり、15〜30分間ほどの短時間の昼寝を指します。
軽度の仮眠は午後のパフォーマンスを改善させるために有効であることがわかっており、昼間の短時間仮眠がその後の覚醒レベルを上げ、作業能率の改善に役立つ可能性があるといわれ、現代では大手企業などでも実践されています。
パワーナップのメリット
記憶力・注意力などが上がり作業効率が向上する
人の睡眠は、脳が休まるノンレム睡眠(深い眠り)と、体が休まるレム睡眠(浅い眠り)などに段階が分かれているとされ、パワーナップは入眠後20分ほどで現れるノンレム睡眠と深い関係があります。
ノンレム睡眠とは、脳が眠っている状態のことをいいます。 入眠直後にあらわれ、夢はほとんどみず、身体を支える筋肉は働いています。 眠りの深さによって4段階に分類され、浅い眠りから深い眠りへと続き、その後、浅い眠りとなりレム睡眠へと移行します。
研究によると、入眠20分ほどで訪れる軽い睡眠レベルのノンレム睡眠(ステージ2)では、脳内に蓄積したキャッシュ・メモリがクリアされたような状態になり、起きたときに認知能力や記憶力、注意力が上がるとされています。
このような効果があるため、仕事の昼休憩などにパワーナップを取り入れると作業効率が向上することが期待できるのです。
疲労回復で頭がスッキリする
昼食後や14〜15時といった時間には、午前中の疲れなどから眠気を催すことがあるかもしれません。
パワーナップは前述のとおり、ノンレム睡眠の状態からスッキリとした状態で目覚めることにより眠気を改善する効果が期待できるため、例えば、書類やパソコン作業など大量の情報を処理して脳が疲れている際などでも、パワーナップを取り入れることにより脳の疲労を解消できるとされています。
ストレス解消によって健康促進に繋がる
眠気がある状態では仕事がストレスに感じる場合もあるでしょう。パワーナップをとり入れると、眠気の改善効果によりスッキリした状態で仕事ができ、身体的・精神的なストレスを低減も期待できます。
そのほか、20分ほどの昼寝は心臓疾患や認知症の予防による健康維持にも繋がるともいわれています。
パワーナップの効果的な実施法
姿勢は自分の心地よいやり方で構いませんが、机に伏して顎を圧迫するような寝方や片方を向いて首をひねるような寝方は、痛めたりする原因にもつながるため出来るだけ避けるようにしましょう。
場所は、うるさすぎず、静かすぎない環境がおすすめです。
仮眠時には照明を消すなどして明るさを少し遮断すると、スムーズな入眠に繋がります。
時間は20分が目安です
パワーナップでいちばん重要なのは、深い眠りに落ちる前の20分程度で目覚めるようにすることです。それ以上の時間眠ってしまうと頭がボーッとして、再び活動するのに時間がかかってしまいます。
頭が冴えて眠れなくても目を閉じてみましょう
パワーナップは眠ることが理想ですが、眠らなくてはと思うとリラックスできず、かえって眠れないということもあります。なので、1分でも5分でも目を閉じるだけで構いません。
五感で感じる情報の8割は視覚からだといわれています。そのため目を閉じるだけでも脳に伝わる情報の大部分をシャットアウトでき、脳を休ませることができます。目を閉じて、静かに自分の呼吸に意識を向けるだけでも十分な効果が期待できます。
目覚めたら軽いストレッチで身体を動かしてみましょう
仮眠の後は、素早く脳と身体のスイッチを入れるために、窓辺で戸外の光を見たり、軽くストレッチをしたり、部屋の中を歩いたりしてみてください。
血流がよくなり、脳の働きも活性化します。水で顔を洗うのもオススメです。交感神経が優位に働いて無理なく活動に取りかかれます。
まとめ
パワーナップは、現代社会を生きる上で究極のリラックス習慣といっても過言ではありません。
体内時計のリズムを整えるためにも、毎日ほぼ同じ時間にするのが理想的ですが、ままならないときもあるでしょう。そんなときは無理せず、週3日くらいを目標に行ってみましょう。